「生クリーム」と「ホイップクリーム」は、お菓子作りや料理のレシピで頻繁に登場する用語です。
しかし、スーパーの陳列棚でこれらを見たときに、どちらを選べば良いのか迷ってしまうこともあるでしょう。
「生クリームをホイップする」というレシピを見た後、生クリームとホイップクリームのどちらを買うべきか悩むのは当然です。一見、混同しやすいこれら二つの製品ですが、実は根本的に異なる特性を持っています。
この記事では、「生クリーム」と「ホイップクリーム」の本質的な違い、それぞれの見分け方、そして気になるカロリーについても説明します。
1.「生クリーム」と「ホイップクリーム」の違い
デコレーションケーキに使われる泡立てられたクリームは一般的に「ホイップクリーム」と呼ばれます。
これが「生クリーム」と「ホイップクリーム」を混同しやすくする一因ですが、基本的には「ホイップクリーム」は泡立てられたクリームのことを指します。
市販されている多くのクリームは泡立て前の状態ですが、実はこれらの製品には根本的な違いがあります。
1-1. 「生クリーム」の特徴
「生クリーム」は牛乳から得られる乳脂肪を主原料とし、添加物や植物性油脂は含まれていません。
厚生労働省の乳等省令により、「クリーム」と名付けるためには乳脂肪を18％以上含むことが必要です。製菓用の生クリームは乳脂肪分が35～38％、ホイップ用は40％以上が一般的です。
生クリームは泡立てが容易ですが、過剰に泡立てると分離し、テクスチャーが損なわれます。
また、温度変化に敏感で形が崩れやすい特性があります。泡立てには「六分立て」や「八分立て」の技術が求められ、適切な硬さに泡立てることが重要です。
生クリームはその濃厚なコク、純粋な風味、滑らかな口当たりでスイーツに豊かな味わいを与えますが、カロリーやコレステロールも高く、価格も比較的高価です。
1-2. 「ホイップクリーム」の特徴
「ホイップクリーム」は植物性油脂を主成分とし、乳化剤や安定剤などの添加物を加えて作られます。
生クリームに比べて白い色が特徴で、泡立て後の安定性に優れています。生クリームよりも価格が安く、消費期限も長いため、扱いやすさとコストパフォーマンスの高さが魅力です。
ただし、生クリームほどのコクや風味はなく、食感も異なります。
カロリー面では、生クリームが100gあたり約433kcal、ホイップクリームが約402kcalとなっており、コレステロール値に大きな違いがあります（生クリームが120mg、ホイップクリームが4mg）。
これらの特性を理解し、使い分けることで、料理やスイーツの味わいをより豊かにすることができます。
2.生クリームとホイップクリームの違いを細かく整理
甘いお菓子やケーキを作る際の選択肢として、プレゼント用には味重視で生クリームを、自分用にはコスト重視でホイップクリームを選ぶこともあるでしょう。
では、それぞれの特徴を詳しく見てみましょう。
2-1.「生クリーム」と「ホイップクリーム」原料の違い
生クリーム：動物性の生クリームで、牛乳の乳脂肪を使用。
ホイップクリーム：添加物、植物性油脂、乳脂肪などを混ぜ合わせて作られる。
2-2.「生クリーム」と「ホイップクリーム」それぞれの長所の違い
生クリーム：濃厚なコクと風味、滑らかな口当たり。
ホイップクリーム：軽やかな口当たり、リーズナブルな価格、白く滑らかな仕上がり、安定した状態の持続、長い消費期限、低いコレステロール、乳製品アレルギーの方でも使用しやすい。
2-3.「生クリーム」と「ホイップクリーム」デメリットの違い
生クリーム：高価でコレステロール値が高い、過剰な泡立てで分離しやすい、温度変化による形崩れの可能性、若干黄色がかった色、短い消費期限。
ホイップクリーム：コクや味わいが劣る、添加物含有、泡立てに時間がかかる。
2-4.「生クリーム」と「ホイップクリーム」カロリーとコレステロールの違い
生クリーム：100gあたり433kcal、120mgのコレステロール。
ホイップクリーム：100gあたり402kcal、4mgのコレステロール。
2-5.「生クリーム」と「ホイップクリーム」法律に基づく表記の違い
生クリームは「クリーム」と表記できるのは乳脂肪分18％以上の製品のみ。
ホイップクリームは「ホイップクリーム」や「ホイップ」と表記。
相互の代用が可能ですが、それぞれの特性による違いを考慮する必要があります。
特に泡立てや風味、コクの違いは重要です。思いがけず異なる結果になることもありますが、それが新しい発見につながるかもしれません。
3.まとめ：「生クリーム」と「ホイップクリーム」
「生クリーム」と「ホイップクリーム」、これらは単なる「白くて甘いクリーム」というわけではないことが分かります。それぞれに特徴があり、使い方によって様々な表情を見せるのが魅力です。
これらを使い分けることで、またはお好みの配合でミックスすることで、さらに美味しく、使い勝手の良いクリームを発見する楽しみがあります。
特別なお菓子やケーキ作りの際に、これらのクリームの特性を活かして、「美味しい！」と感じる瞬間を創出するお手伝いができたなら幸いです。
美味しいスイーツ作りに、ぜひ生クリームとホイップクリームを活用してみてくださいね。
