新年に立てる抱負は何ですか?
あなたの長期的な夢は何ですか?
この月に達成したい目標は何ですか?
こんな質問をいっぺんにされたことありますよね……
「抱負」「目標」「夢」という言葉はよく耳にしますが、それぞれが異なる意味を持っていることはなんとなく分かるけど、具体的にはよくわからないですよね。
それでは、「抱負・目標・夢」のそれぞれの意味・定義は何でしょう?
そして、英語ではこれらをどう表現するのでしょう?
「抱負・目標・夢」の意味や、英語での表現方法について詳しく説明します。
1.「抱負」「目標」「夢」の違いについて
まずは簡単に理解できる「夢」から始めます。
私たちは眠っている間に見るものも「夢」と呼びます。
また、思いがけず幸運に恵まれた時、「これは夢じゃないか」と思って自分の頬をつねることもありますね。これは「夢」が「現実離れした空想」という意味合いも持つためです。また、「夢」は頼りない、儚いものとしても使われます。
そして、「夢」とは、いつか叶えたいと思うような願望や理想を表す言葉でもあります。
それでは、その夢を叶えるためには何をすべきでしょう?
夢を実現させるためには、具体的な「目標」を設定します。これらの目標を段階的にクリアしていくことで、最終的な夢に近づいていきます。
では、「抱負」とは何でしょうか?
新年に立てることが多い「抱負」は、「今の熱い思い」や「心に誓ったこと」といった意味合いがあります。
たとえ目標が立てられていても、なかなか達成できない時には弱気になったり、諦めたくなることがあります。そんな時に力を発揮するのが「抱負」です。
この基本を抑えた上で、次にそれぞれの要素についてもっと詳しく見ていきましょう。
1-1.「抱負」と「目標」の意味と関連性
まず、それぞれの基本的な意味から見ていきましょう。
抱負: 心に秘めた計画や固い決意
目標: 達成や実現を目指す具体的な点
何かを「実現・達成」する際、「心に描く」ものが「抱負」で、「その実現・達成への途中経過」が「目標」となります。
言い換えれば、
「抱負」とは、自分がどのようになりたいか、どうありたいかに対する「強い願い」を意味し、「目標」は、その願いを実現するための具体的な「行動計画」を指します。
「目標」には「抱負」と連動する意味合いが含まれますが、重要なのは「強く願う」こと。ぼんやりとした思いでは、具体的な「行動」に結びつきません。
また、「目標」は一つに限らず、最終目的地に向かって徐々にステップアップしていくことが普通です。
「抱負」を
「強い意志で実現を願い、そのために前進すること」
と考えるならば、「目標」はその願いに応じて
「達成すべきいくつかの段階的な計画を立て、それらを順に実行していく、一つ一つの具体的なステップ」
になります。
例えば、ギターの腕を上げたい、犬の気持ちを理解したいという「抱負」は変わらないものの、「毎日1時間ギター練習する」「本を5冊読む」といった「目標」は、クリアするごとに新しいものに更新されます。
ただ練習するだけではロックスターにはなれません。バンドを結成したり、ライブを行ったりする必要が将来的には出てきます。
「目標」では
「具体的に」「期限を設け」「進行状況に応じて」、自分の現在のレベルよりも上のレベルを目指す
ことが重要です。
要するに、「強い願いを心に抱く(抱負)」と同時に、それを実現するために「段階ごとに具体的な行動を決めて実行する(目標)」ことで、最終的な目的に到達するというわけです。
次に、これらの概念を「英語」でどのように表現するかを見てみましょう。英語の表現を理解することで、これらの概念がさらに明確になるかもしれません。
1-2.「抱負」と「目標」の英語表現
まず、「抱負」に関連する英語の表現を見てみましょう。
抱負:
aspiration: 願望、野心、向上心、憧れなどを表す
ambition: 抱負、野心、大望、志などを意味する
resolution: 決意、決断など
○○’s hope: 希望、願いなど
New Year’s resolution: 新年の抱負
Talking about ambitions: 抱負について話す
一方で、「目標」に関連する英語の表現は以下の通りです。
目標:
a goal: 最終目標
a target: 達成目標
このように、日本語と英語での表現には多様性があります。
「抱負」は強い意志や願望を持つことを意味し、たとえ実現できなくても、その強い意志が大切です。一方で、「目標」では、具体的なゴールやターゲットを設定し、ステップごとに進んでいく様子が見られます。目標設定がうまくいかない場合は、それを変更するのが良いでしょう。
1-3.「夢」とは?その「目標」との関係
「夢」は、最終的に到達したい目的地であり、同時に現実離れした、荒唐無稽なものでも構いません。
現実には全ての夢が叶うわけではありませんが、夢があること自体が人生の幸福度を高める要素となります。
「夢」があれば、それを実現するための努力が生まれ、「目標」を設定する動機にもなります。また、「夢」が現実的に達成可能な範囲に入ると、それが「目標」となります。
しかし、一度夢を叶えると、心に穴が開くこともあります。例えば、教師になるという夢を叶えた後は、さらなる新たな夢を見つけることが大切です。「夢」は常に人生に楽しみと挑戦をもたらすものです。
「夢」の実現は困難ですが、それが本当に自分の理想であるならば、その達成を強く願うことが大切です。「夢」は人生の意味や生きる原動力となり、その過程で多くの道が開かれる可能性があります。
「目的」と「夢」の違いについては、目的が実現したい理由や動機を意味するのに対し、夢はより広い意味を持つものです。夢は具体的な目標や制約に縛られず、無限に広がる可能性を秘めています。
例えば、ロックンローラーになりたいという夢がある場合、その理由がモテたい、世界平和を願うなど様々です。夢は実現する過程で、人生の意味や方向性をもたらすものです。
英語での「夢」は「dream」と表現されます。これは睡眠中の夢や、実現を願うもの、現実から離れた空想や儚いものをすべて含む表現です。夢は人生の豊かさを象徴するものであり、その追求は人生をより価値あるものにします。
2.「抱負・目標・夢」の違いと関連性の解説
これまで見てきたように、「抱負」「目標」「夢」にはそれぞれ異なるニュアンスがあります。ここで、具体例を交えつつ、これらの違いを再確認してみましょう。
2-1. 各々の定義
抱負: 心に描く計画や強い決意
→ 重要なのは「強い思い」。抱負には「心に抱く」という意味があり、「負」は「負う、背負う」を意味します。つまり、抱負とは心に強く持つ思いを背負って進む決意のこと。これが夢や目的に向けた原動力になります。
目標: 目的や夢を実現するための具体的な指標
→ 目的や夢を叶えるためには、具体性と期限設定が重要。時には目標を修正することも必要です。
夢: 理想や希望の象徴
→ ただし、本当に切望するものである必要があります。夢を叶えるために「目標」が立てられ、その強い思いが「抱負」として表現されます。
2-2. 使用シーン
抱負: 新年の抱負や入社後の抱負など
→ これからの期間に何を成し遂げたいかの意気込みを表します。具体的な計画ではなく、強い意志が大事です。
目標: 年間の目標、目標校など
→ 目的を達成するための具体的な段階を設定します。これにより、遠くにあるゴールが近づいてきます。
夢: 将来の夢など
→ 「~しなければ」という義務感よりも、「~したい」という願望を表します。人生の大きな目標となることが多いです。
2-3. 英語での表現
抱負:aspiration / ambition / ○○’s hope
→ 願望や大志、野心などを意味する単語
目標:goal / target
→ 「goal」は最終目標、「target」は達成目標を指す
夢:dream
→ 睡眠中の夢、実現したいこと、現実離れした空想など、すべてを含む
2-4. ケーキ屋さんになる夢
例えば、ケーキ屋さんになりたいという夢を持つ人の場合:
抱負:「今年はたくさんケーキを食べる!」
目標:「1日に1個のケーキを試食する」
→ 最初は味覚を研ぎ澄まそうとする戦略ですが、健康面や実現可能性を考慮する必要があります。
抱負②:「ケーキ作りを頑張る!」
目標②:「弟の誕生日にケーキを一人で作る」
→ 家庭での実践を通じてスキルアップを目指します。
抱負③(数年後):「ケーキ作りの技術を磨く」
目標③:「有名なケーキ店でアルバイトをする」
→ プロの技術を身に付け、夢に近づきます。
抱負④(さらに数年後):「プロとしての実力を試す」
目標④:「独立し、店舗を探す」
→ この段階で、かつての夢が現実的な目標に変化します。
夢:「世界に通用するパティシエになる」
5.まとめ:抱負・目標・夢の違い
どの言葉も、実現したいという強い願望を持つことが根底にあります。新年に立てた抱負がすぐに挫折することもありますが、しっかりとした目標設定を行い、目的や夢に一歩でも近づけるよう努力しましょう。
以上で「抱負・目標・夢」の違いや関連性についての解説を終わります。これらの意味や英語での表現の違いについて、少しでも理解が深まったのであれば幸いです。