「台風」「タイフーン」「ハリケーン」「サイクロン」それぞれの違いとは?起源についても解説!

言葉の違い

さて、台風とはどのような現象なのでしょうか。

台風は「熱帯低気圧であること」「最大風速が秒速約17メートル(17.2メートル)以上であること」「アジア近辺の太平洋で発生すること」の3つの条件を満たしたものを指します。

しかし、このような現象は他の地域でも発生しますが、名称が異なります。例えば、ニュースで「サイクロン」という言葉を聞くことがありますが、これは実際には台風のことを指しています。

 

また、アメリカではこれを「ハリケーン」と呼びます。それでは、なぜ「台風」という名前が付けられたのか、その由来を含めて「台風」「タイフーン」「ハリケーン」「サイクロン」の違いを詳しく解説しましょう。

 

本記事を通じて、皆さんの理解が深まれば幸いです。

 

1.「台風」「タイフーン」「ハリケーン」「サイクロン」熱帯低気圧の違い

熱帯低気圧の類型として、「台風」「タイフーン」「ハリケーン」「サイクロン」という異なる呼び名があります。

これらの主な違いは、発生地域と風速の基準です。日本では、「台風」と呼ばれる熱帯低気圧は、最大風速が10分間平均で17m/s以上、且つアジア周辺の太平洋で発生した場合に限られます。

一方、国際基準では、最大風速が1分間平均で33m/s以上と定められており、これを満たすものが「タイフーン」となります。したがって、同じ熱帯低気圧でも、風速の基準により「台風」と「タイフーン」に分類されます。

 

地域による分類では、「ハリケーン」は大西洋や北太平洋東部で発生し、同じく強風を伴う「サイクロン」はインド洋で形成されます。

これらの名称は、発生地域に基づいて決定されるため、たとえ日本近辺で発生したとしても、名称は変更されません。なお、これらの熱帯低気圧はいずれも「温帯低気圧」とは異なり、その構造や性質が異なります。

1-1.「台風」と「タイフーン」の起源と関係

「台風」と「タイフーン」の語源は、歴史的な経緯と地域的な特性に基づいています。

日本では、過去に「野分」や「大風」といった言葉が暴風を表すために使われていました。安政4年に「伊藤慎蔵」によって翻訳されたオランダ語の専門書にて「颶風」という言葉が用いられ、後に気象台長である「岡田武松」が「颱風」という文字を採用し、現在の「台風」となりました。

一方、「タイフーン」は、アジア周辺の太平洋で発生する熱帯低気圧を指す国際基準の名称で、中国や台湾の「大風」から派生したとされる説があります。また、アラビア語の「tufan」やギリシア神話の「typhon」に由来するという説も存在します。

1-2.「ハリケーン」と「サイクロン」の詳細

「ハリケーン」と「サイクロン」の呼称は、それぞれ特定の地域で発生する熱帯低気圧に付けられる名前です。

「ハリケーン」はカリブ海の暴風神「ウラカン」に由来し、英語では「hurricane」と表記されます。「サイクロン」はギリシア語の「回る・旋回」を意味する単語に由来し、その名の通り、旋回する風の特性を持ちます。これらの熱帯低気圧が日本に影響を与えることは稀であり、主に発生した地域において名付けられます。

1-3.「台風」「タイフーン」「ハリケーン」「サイクロン」名称の由来

「ハリケーン」と「サイクロン」の名称は、それぞれの文化や歴史に根ざした由来を持ちます。

例えば、「ハリケーン」はカリブ海の神話に登場する暴風神「ウラカン」に由来し、この名称はスペインの船乗りによって普及しました。

一方の「サイクロン」は、ギリシア語の「回る・旋回」を意味する単語から来ており、熱帯低気圧の特徴である旋回する風を表しています。これらの名称は、その地域の文化や言語の影響を反映しています。

1-4.「サイクロン」事情の複雑さ

「サイクロン」という用語は、一般的に低気圧を指す言葉ですが、特に熱帯低気圧の場合は「トロピカル・サイクロン」と呼ばれます。

これに対して、温帯低気圧は「エクストラトロピカル・サイクロン」と称されます。日本近海を通過する低気圧は、大半がこの「エクストラトロピカル」タイプです。

台風が温帯低気圧に変化する際のニュース報道では、「トロピカル・サイクロンがエクストラトロピカル・サイクロンに変わった」と表現されることがあります。この区別は、低気圧の構造と性質に基づいています。

 

2.「台風」「タイフーン」「ハリケーン」「サイクロン」熱帯低気圧の違い、比較

熱帯低気圧には地域によって異なる呼び名があり、その中でも「台風」「タイフーン」「ハリケーン」「サイクロン」という四つの名称が一般的です。

これらの違いは主に発生地域と風速によるもので、地域を越えると呼び名が変わることがあります。

2-1.「台風」「タイフーン」「ハリケーン」「サイクロン」共通点と相違点

これら四つの熱帯低気圧は共通して「熱帯低気圧」である点が一致しています。

発生地域においては「台風」と「タイフーン」が類似しており、一方で「タイフーン」「ハリケーン」「サイクロン」は強さの基準が共通しています。

2-2.「台風」「タイフーン」「ハリケーン」「サイクロン」発生地域の特徴の違い

「台風」と「タイフーン」は主に日本付近、東アジア周辺の太平洋にて発生します。

「ハリケーン」は太平洋の北半球の東側、及び大西洋で見られます。

「サイクロン」はインド洋、北インド洋、南インド洋、および南太平洋地域で発生します。

2-4.「台風」「タイフーン」「ハリケーン」「サイクロン」各熱帯低気圧の強さの基準の違い

「台風」:日本基準で最大風速が10分間平均で約17m/s以上。

「タイフーン」:国際基準で最大風速が1分間平均で約33m/s以上。

「ハリケーン」および「サイクロン」も国際基準で最大風速が1分間平均で約33m/s以上です。

2-4.「台風」「タイフーン」「ハリケーン」「サイクロン」名称の由来の違い

「台風」:古くは「野分」や「大風」などと呼ばれ、オランダ語の専門書を翻訳した「伊藤慎蔵」により「颶風」の用語が導入され、その後「颱風」を経て「台風」となりました。

「タイフーン」:中国広東方言「tai fung」からの借用説や、ギリシア神話の風の神「デュポン」から来た説があります。

「ハリケーン」:カリブ海の暴風神「ウラカン」から発展したとされる語。

「サイクロン」:ギリシア語の「回る・旋回する」が語源とされています。

 

3.まとめ:「台風」「タイフーン」「ハリケーン」「サイクロン」の違い

日本における台風の分類は、国際的な基準と比較しても特異なものです。

日本では最大風速が約17m/sという基準で「台風」と呼ばれますが、これはあくまで最低限の基準であり、実際にはこれを大きく上回る強さの台風が発生することもあります。

さらに、台風の「大きさ」も重要な要素であり、超大型の台風の場合、本州全体を覆うほどの広範囲に影響を及ぼすこともあります。

 

世界各地では「トロピカル・サイクロン」が大きな被害を引き起こしており、その影響は日本にも及ぶことがあります。台風の進路や強さは予測が難しく、一度発生するとその進路を完全にコントロールすることは不可能です。そのため、台風情報に注意を払い、備えを行うことが重要です。

 

この説明が皆さまの理解に役立ち、台風への備えに役立つことを願っています。お互いに台風の影響を最小限に抑えられるよう、情報を共有し、安全に過ごしましょう。

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